AIのようでAIでないもの
AI(人工知能)が身近になった昨今ですが、AIのようでAIでないものもあります。中には偽物もあるようです。
ゾンビAI
『AIに見せかけているが、実はAIでないもの』をゾンビAIと呼ぶそうです。
今はあまり見かけませんが、テレビCMでも、AIの名を借りて宣伝している家電製品がありました。
「それはセンサーが動いているだけだ」「学習しないよね」
AIを少しかじっていると、すぐ見破ることはできますが、そうでない人が大半。商品名に「AI」が入っているだけで、消費者の心はくすぐられます。
メーカーのやりかたはこうでしょう。(経験から推測しているだけです)
「とにかくAIとして売りなさい」
「商品名に’AI’が入っていても’人工知能’を使っているとは言ってないから大丈夫」
現場は悩んだことでしょう。そんなことして良いのだろうか。
でも命令だからやるしかない。
いまや、AI(人工知能)がどんなものか、専門家でない人も学んできているためか、ゾンビAIは陰を潜めたようです。
健全な時代になったのかも知れません。

Watson
IBMのワトソン(Watson)もAIではありません。IBMが声明を出しています。
コグニティブ・コンピューティングと呼ぶのだそうです。
コグニティブ(cognitive)は、日本語で「認知」です。
問題を認識して、膨大な情報の中から正しそうな解答を選び、利用者に提示するのがワトソンですから、なるほど「コグニティブ」と呼んだ方が適切のようです。
IBMのこの姿勢は、AIが最上級の技術とは限らない、選択肢に過ぎないということを教えてくれるのではないでしょうか。

Siri
まるで会話ができるようなSiri。これこそ人工知能ではないか、と思われがちですが、Siriは音声から単語検出して検索する仕組みで、AIとまでは呼べないように感じます。
「Hey,Siri. おいしいレストランを教えて」
「Hey,Siri. まずいレストランを教えて」
結果は同じレストランの一覧が表示されたという逸話が残っています。
だからといって、Siriは使い物にならない、というものではありません。
用途に応じて便利に使えれば、AIであろうとなかろうと、どちらでも構わないですよね。

AIに少しでも携わる身としては、AI信奉者にはなって欲しくない、ということです。
これから多くの課題がAIで解決されていくことでしょう。
しかし、AIだけに頼ると、簡単な解決策も出せなくなる、ということは、頭の隅に入れておきたいものです。